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ハイブリッド型ステッピングモータでは世界シェア2位。モータの活かせる分野へ挑戦をつづける100年企業
2018年に創業100周年を迎えたシナノケンシ株式会社。グローバル展開を進めるなか、海外顧客のさらなる認知度向上を目的に2019年6月には新たなコーポレートブランド「ASPINA」を発表。企業寿命が25年、20年ともいわれている現在において、堅調な経営を支えているのは「変えるべきもの」を「変え」、「変えてはいけないもの」を「変えない」といった一貫した姿勢によるもの。
創業当初紡績工場からスタートした企業が産業構造の変化をいち早く察知し、モータ産業へ。その後もモータの開発を軸に、その技術を活かした製品開発や「小型」「軽量」「静音」といったシナノケンシのモータの特徴を最大限活かせる業界への参入を常に模索。私たちの良く知っている身近な製品から、近年では宇宙開発事業にも参入をしている。
ハイブリッド型ステッピングモータでは世界シェア2位。これらグローバルで必要とされている製品を生み出しているのは、高い技術力や営業力があってこそであるが、それを支えているのは人。その人を支える仕組みと風土が存在し、信州上田の地で根を生やしている。
シナノケンシの会社概要
本社・勤務地 | 長野県上田市上丸子1078 |
HP | https://jp.aspina-group.com |
設立 | 1918年(大正7年) |
資本金 | 6億5,000万円 |
従業員数 | 4,000人(グループ) 900人(国内) |
事業内容 | 精密小型モータの製造・販売 |
シナノケンシの特長
シナノケンシ株式会社の900名の従業員のうち約4分の1の200名近くがエンジニア(設計・研究開発・生産技術)であり同規模の製造業の中では技術者が占める割合が高い開発型の企業である。
製品の90%はカスタム設計であり、ワンストップでスピーディーな製品の提供を手掛けているのが特徴。カスタム設計であるゆえに、エンジニアも営業と一緒にお客様の所に出向き、仕様の調整から関わるため企画からマーケットに出るところまで関与することで、自らで作った達成感を味わうことができる。営業も入社時にモータなど製品に関する基礎的な研修があるため、技術的なキーワードも理解した営業活動ができ、お客様へ一歩深く踏みこむ営業活動ができる。
エンジニア間の情報共有を大切にしており、例えば、機械設計で入社したのちも回路やソフトの知識がつけられる機会もあり、自身の専門分野のほかに技術分野のすそ野を広げていくことができる。
近年、これまで部署やサイトごとに独自であった工場内設備も設備設計を全社統一で手掛ける部署を立ち上げ、標準化、効率化を加速させている。
新たな注力分野として、5G社会の実現において、データ通信網・サーバーを安定・安全駆動するうえで、冷却のため空冷から液冷へのニーズが高まりをみせていてる。そこにシナノケンシのポンプが求められており、モータの開発技術に加え、流体に関する知識・技術の深耕が進んでいる。また宇宙産業にも進出している中で、小型人工衛星(コンステレーション)の姿勢制御に関わる開発や技術力の強化も進んでいる。
シナノケンシ株式会社のエンジニアの開発フロアは、物理的にもフラットな開発スペースが用意されており、コミュニケーションが取りやすい状態にしてある。
日本・中国・メキシコ・アメリカ・ドイツ・インド・香港・台湾に拠点があり、グローバルに幅広い顧客からニーズを集め、製品を製造・流通できる体制が整っている。これら各国の遠隔拠点を結ぶ上でのインフラとしてビデオ会議システムが導入されておりどの社員も手軽にコミュニケーションが取れる状態になっている。
また工場内も「清流化」が行き届いており、どこに何があるかが一貫しており、またどんな流れで仕事をするのかも一つ一つの業務をツールを使ってフローチャート化され、誰でもすぐに理解しやすいようになっている。この作業のフローチャート化は工場内から生まれたが、現在はスタッフ部門に至るまで浸透しており、属人化の排除、効率化、品質の安定改善につながっている。
なお、本社は2021年に新棟の着工など、本社圏の再開発をスタート。25年に一帯の完成を目指している。
役職名ではなく「~さん」で呼ぶフランクな社風があり、スムーズなやり取りは風通しのよさがあり改善提案が生まれやすい空気を作っている。
社員一人一人がお互いを大切にしあう風土があり、仕事はもちろん、プライベートの環境も理解しあって尊重しあえる風土がある。
人事制度と紐づく研修体系に基づいた、人を育て活躍してもらうための仕組みが整っている。
■新入社員研修
□技術者研修
モータ・ポンプなどの製品
機械・回路・ソフト
□営業力研修
モータ概論
契約書
マーケティング
貿易実務
営業交渉力
■階層別研修
□フォローアップ研修(2年目・3年目)
□管理職・キャリアデザイン研修
■語学研修
□ベテラン社員による実用的な英会話レッスン
□オンラインの英会話
□英語:ライティング
□中国語 ※社外での受講の場合は条件を満たせば受講補助あり
公的資格の取得支援制度あり TOEIC、技能検定、簿記に加え、電検3種などの必置資格など
部門間、職種間による縦串x職種に情報交換、技術発表会なども行われており、研修のほかにも学びの機会が存在している。
シナノケンシ株式会社では、「真の資産は人」の企業理念のもと長野県内でもワークライフバランスの取り組みはトップクラスに進んでいる。
2021年より新人事制度が施行され、より評価が公正に待遇に結びつきやすい制度に改定した。具体的には若手のうちから昇格昇給しやすいシステム、また複線型人事制度にて専門性を突き詰めるのか、マネジメントやゼネラリストを目指すのかといった形で早い段階から自分のキャリアを選ぶことができる。
ワークライフバランスの代表的な取り組みや実績は以下。
・2時間単位での有給取得
・ノー残業デーの徹底、週4日(木曜日以外)特に水・金は上司の申請が必須
・残業時間は平均月8時間。当然ではあるがサービス残業禁止で、その文化が社全体に浸透している。
・営業のモバイル勤務
コロナや働き方改革の呼びかけよりもいち早くモバイル勤務が導入されており、働きやすい自由度の高い環境が整備されている。
■育児休業制度
育児休業制度取得率100%(2009年から)
職場復帰率100%(2009年から)
育児休業期間 最大で子が3歳の4月末まで取得可能
男性の育児休業者 7名(累計)
育児短時間勤務、最大で子が小学校1年就学後の4月末まで
時差・時短出勤可
■介護休業制度
通算365日取得可能
所定労働時間の短縮
時差・時短出勤
■受賞歴
くるみんマーク取得(2008年)
子育て応援企業 長野県知事賞受賞(2008年)
ファミリーフレンドリー企業部門 厚生労働大臣優良賞受賞(2008年)
均等・両立推進企業表彰 長野県労働局長賞優良賞受賞(2008年)
子育て同盟 最優秀子育て応援企業(2014年)
長野県職場いきいきアドバンスカンパニー(2018年)
シナノケンシ株式会社は、産学の取り組みとして地元信州大学と産学包括連携協定を結んでいたり、公立諏訪東京理科大やその他地方国立大学とも共同研究なども進めていたり、次世代につながる技術の開拓も進めている。
〇制度・財形・住宅融資・確定拠出年金・確定給付年金の併用
〇保険・健康保険・厚生年金・雇用保険・労災保険
〇施設・社員食堂・独身寮・テニスコート
〇その他・クラブ活動補助費・飲み会補助費・リフレッシュ休暇
シナノケンシの中途採求人情報
- 提案企画営業
- 技術営業
- 電気回路設計
- 機械設計
- 生産技術
- IT(SE業務系)
- IT(SE組込系)
- 海外営業
参考想定年収:400万円〜600万円
シナノケンシの新卒求人情報
学歴 | 大学院、大学、高専 |
理系 | 工学部 理学部 理工学部 農学部 情報学部 その他 ▼理系詳細 電気・電子系 機械系 化学・生命系 土木・建築系 情報系 |
文系 | 教養学部 法学部 経済学部 外国語学部 その他 |
初任給 | 大学院卒:239500円 大学卒:215500円 高専卒:190500円 短大卒:ー 高校卒:ー |
シナノケンシの募集要項
雇用形態 | 正社員 |
昇給 | 年1回(4月) |
賞与 | 年3回(7月・12月・翌年5月) |
諸手当 | 通勤手当・時間外手当 |
勤務時間 | 8:20~17:10(実働7時間45分、休憩65分) |
休日 | 年間休日数126日(計画年休5日含む) 週休2日制(土日) 祝日・GW・夏季・年末年始(会社カレンダーによる) |
社会保険 | 健康保険、労災保険、雇用保険、厚生年金 |
福利厚生等 | 制度:財形・住宅融資・確定拠出年金・確定給付年金の併用 その他:クラブ活動補助費・飲み会補助費・リフレッシュ休暇 |
施設・設備 | 社員食堂・独身寮・テニスコート |
教育制度 | モータ研修/営業研修/語学研修(オンライン英会話など)/新入社員研修、2年目研修、3年目研修/管理者研修/キャリアデザイン研修 など |
シナノケンシの職場の様子など
新本社・工場 完成予定鳥瞰図
社員打ち合わせ
カスタム受注を中心とした設計開発
現場風景
電動3爪ロボットハンド
社員心得
社員ミーティング
シナノケンシ株式会社のモータの特徴は「小型」「軽量」「静音」であること。この特徴が様々なマーケットで評価され製品の中に組み込まれている。例えば「静音」が評価され、誰もが知っている家電メーカーのヒット商品や、国産ハイブリッドカーのEVモータの冷却ファンで採用されたなどの実績がある。
モータは全社全体の売り上げ98%を占めており、ハイブリッド型ステッピングモータでは世界でもトップクラスのシェアを誇っている。近年ではモータの技術を駆使し、ポンプ、ロボットハンド、ブロワーなどの展開も加速している。
モーター事業は、「環境分野」「車載分野」「自動化分野」「医療分野」と4つに分かれている。
■環境分野:主に住環境設備に関連する製品への搭載。空調やガス給湯器のファンモータなどを手掛ける。
■車載分野:静音かつ小型であることが高く評価され、社内エアコンやシート空調用のファンモータも手掛ける。電気自動車化の流れの中で環境負荷の少ないモータは今後も様々なパーツとして需要増が見込まれる。
■自動化分野:産業機器用のモータのほか、ロボットハンド・パワーアシストスーツ・電動自転車や車いすに利用されているアシストモビリティなど、製造分野の効率化や自動化を支援するとともに私たちの日常の快適さやを支えている。
■医療分野:呼吸器治療器におけるモータやコンプレッサーを手掛ける。コロナ禍では人工呼吸器のコンプレッサーも大きな受注となり医療支援に大きく貢献した。